「長年英語を勉強しているのに、思うように英語を話せない…」
こうした悩みを持つ英語学習者は多いのではないでしょうか。実はそれ、英語を「日本語脳」で考えているからかもしれません。
日本語を母語としている私たちは普段の生活の中で日本語の文法や思考パターンで物事を考えてしまっています。しかし、英語を自然に話せるようになるには、同じように英語の文法や思考パターンで物事を考え、理解しなくてはなりません。
いわゆる「英語脳」への切り替えです。
本記事では英語脳と日本語脳の違いから、英語脳に切り替えるためのおすすめトレーニングまで詳しく解説していきます!
英語脳とは?日本語脳との違いを分かりやすく解説

まず以下の英文を読んでみてください。
It is not what you say but how you say it that matters.
つい日本語に訳して意味を理解しようとしませんでしたか?
もしそうであるなら、あなたは「日本語脳」で英語を処理している状態。
それに対し「英語脳」とは英語を日本語に訳さず、英語のまま理解する状態を指します。
そんな「英語脳」と「日本語脳」それぞれの違いをメリット・デメリットを含め一緒に見ていきましょう。
英語脳で英語を話すとはどういう感覚?
たとえば外国人の友達に英語で「昨日は何してた?」と聞きたいときあなたはパッと英語にすることができるでしょうか?
答えは「what did you do yesterday?」「What were you up to yesterday?」「How was your day yesterday?」と色々ありますが、つい「何」だから「What」で昨日だから「過去形」でと日本語から英語にする日本語脳で考えてしまったのでは?
では今度は色違いのTシャツを見つけた際、
「Which color do you like?」と聞かれたらどうでしょう。
今度は迷わず「I like blue」や「I like pink」と答えられたのではないでしょうか
この時私が「I」で主語のあとに動詞を持ってきて…などといちいち単語を訳したり語順を考えたりした人はほとんどいなかったのでは?
無意識レベルで単語や文法を使用することができる、これこそが英語脳で英語を話す感覚です。
英語脳のメリット
日本語脳ではなく英語脳で英語を処理するメリットはたくさんあります!
英語脳では英語を日本語に訳さずそのまま理解するため、とにかく英語の処理スピードが速いです。
聞いた内容を日本語に訳し、そこからまた英訳するとなると必ず発生するのがタイムラグ。
話の内容を理解しようと思っても、意味を把握する前に次の言葉がどんどん聞こえてきて結局半分も理解できなかった、という経験があるひとも多いのでは?
英語脳で英語を処理できるようになるとまるで日本語と同じようにストレスなく、自然に英語を理解できるようになります。
英語脳のデメリット
ではそんな英語脳にデメリットはあるのでしょうか?
実は英語脳にもいくつかのデメリットが存在します。その一つが日本語での表現を忘れてしまうこと。英語脳を使うことに慣れると日本で生活していてもパッと思いつくものが英語になることがあります。
英語は日本語よりシンプルな表現が多い言語です。そのため日本語特有の微妙なニュアンスの違いを思いつかなくなってしまうことも。例えば日本語では「うれしい」「楽しい」「幸せ」など細かく区別して使われますが、これらは英語ではすべて「happy」に統一されてしまいがち。その場その場での自分の考えや気持ちをより正確に表すために、英語は英語脳で、日本語は日本語脳で処理することが大切です。
日本語脳で英語を話すとはどういう感覚?
日本語脳で英語を話すということは、日本語から英語に訳して、さらに英語の文法に作り直して話すということです。
先ほどの例「昨日は何してた?」を日本語の単語から
「yesterday」「what」「do」に変換して、「疑問詞」を前に出して主語「you」を補って、「do」を「過去形」の「did」にして
ようやく「what did you do yesterday?」と口に出す感覚です。
これでは英語脳と比べて時間と手間がかかるばかりか、日本語と英語を絶えず行き来することで脳も疲れさせてしまいます。
日本語脳のメリット
では英語は日本語を介さない英語脳ではじめから学習した方がいいのでしょうか?
いいえ、実は学習初期の段階では日本語を使った英語学習、つまり日本語脳で英語を処理したほうが効率的に学習を進めることができます。なぜなら単語の概念や文法、慣用表現など、母語である日本語を通して学ぶことでより早く理解できるからです。
たとえば友達を流行りの映画に行こうと誘ったら「That movie is not my cup of tea.」と言われたとします。「その映画は私のカップのお茶ではない?」単語はすべて知っていますが、まったく意味がわかりません。しかしこの「not my cup of tea」=「好みではない」と訳すとわかれば、次に言われたときにはすぐに理解できますよね!
このように知らないことが多い初期の学習では日本語を通して学ぶことで短期間で効率的に、より多くの英語知識を手にいれられます。
日本語脳のデメリット
日本語脳で英語を学ぶと短期間で多くのことが学べる一方、ずっと日本語脳を使っていくことにはやはり欠点も。
いちいち日本語を介すことでアウトプットのスピードがおちることはもちろん、ほかにも様々なデメリットが存在します。たとえば日本語ではわりと自由に入れ替えることができる語順。例をあげると「明日友達と公園に遊びにいく」「明日遊びにいく友達と公園に」「公園に友達と遊びにいく明日」など語順を入れ替えても意味は変わりません。
しかし英語の語順は固定されており上記の内容をいう時には「I am going to the park with my friend tomorrow.」となります。語順が自由な日本語脳のままだと、英訳する際「どこに何を置くのか」迷ってしまいがち。英語を話す時は英語脳で、英語の語順のまま理解し使っていくことが大切です。
英語脳 vs 日本語脳 思考パターンの違い
英語を英語で処理する英語脳と日本語を介して英語にする日本語脳では思考パターンに違いがあります。
この違いが英語をアウトプットするスピードにも影響!
それぞれの思考パターンを知り、それがアウトプットスピードにどう影響するのかを詳しく見ていきましょう!
思考回路(逐次 vs 直感)
最初に日本語脳の思考回路を順を追って見てみましょう
①日本語で考える「コーヒーを頼もう」
②日本語を英語に訳す(文法を組み立て単語をいれる)Coffee,please?
③実際に発話する「Coffee,please?」
④相手からの返答「Sure!Anything else?」
⑤英語を日本語に訳して理解「他になにかいりますか?」
⑥日本語で考えて英語に訳して返答する 大丈夫です→「No.」
このように逐次日本語と英語を行き来し考えるので、時間がかかり会話が遅れることが多くなりがちに。またネイティブの早い英語だと翻訳する時間がなく理解が追いつかなくなることもあるでしょう。
これに対し英語脳の思考回路はこうです。
①英語で考え、発話する「Can I get a coffee, please?」
②相手からの返答 「Sure! Anything else?」
③英語で理解し返答する「I’m good, thank you.」
このように英語脳の思考回路は直感的で、常に英語だけで考え処理しているので、会話がスムーズになります
英語のアウトプットスピードが違う
今ご覧になった通り、英語脳では「英語→英語」で理解できることが、日本語脳においては常に「日本語→英語→日本語」というように日本語を挟むことになり、アウトプットにかかる時間が倍になります。
また常に日本語に翻訳することで脳に負担がかかってしまい、英語疲れや英語を使うことにストレスを感じることも。単語、文法、発音など、日本語とは全く違う英語をスムーズに使いこなしていくためには、英語脳をつくることが効果的!
なぜ日本語脳から英語脳に切り替える必要があるのか

初期の段階では日本語脳を使って日本語を介しながら英語学習をするのが効率的!
その一方でネイティブと対等にかつ流暢に英語を話すためには、最終的に英語脳に切り替えることが必要不可欠です。
その理由を一緒にみていきましょう!
英会話の瞬発力を高めるため
英語脳と日本語脳の一番の違いは、やはり英語の処理スピードの速さです。
日本語脳では逐次日本語に翻訳する手間と時間が発生しますが、英語脳に切り替えることができると、英語を英語のまま理解することができます。ネイティブの早いスピードにもついていけるようになり、自分の言いたいことも英語で考え口に出すので、会話がスムーズに瞬発力高く行えます!
リスニング力・表現力も大きく変わる
英語脳に切り替えて英語学習をすると、リスニング力が大きく向上します。
その理由は、いちいち戻って日本語の語順にしたり単語単位で日本語に訳す状況から、英語を英語の語順そのままで理解できるようになるから。
また日本語脳のままだと、どうしても日本語の語順や表現をそのまま直訳した不自然な英語を使いがちに。しかし英語脳に切り替えることで、実際の英語から学んでストックした表現を使うようになり、英語らしい表現がスムーズに出てくるようになります!
日本語脳から英語脳に切り替えるためのおすすめトレーニング5選

では実際に日本語脳から英語脳に切り替えるためにはどんなトレーニングをしていけばいいのでしょうか?
ここではおすすめのトレーニング方法を5つご紹介!
これからの英語学習に取り入れて、よりスムーズに英語を使えるようになりましょう!
英語の語順で文を作る練習
英語と日本語の大きな違いの一つである語順
。日本語脳で英語を作るとどうしても、日本語の語順から翻訳した不自然な英語になってしまいます。
自然な英語を話すためには英語の語順で考えられる英語脳に切り替えることが必要です。
■トレーニング方法
①英語の語順を理解する
英語の基本的な語順はS(主語)+V(動詞)+O(目的語)+M(補語・修飾語)
最初に結論(動詞)を持ってきて、あとから説明をつけ足していく言語
②シンプルな文から少しずつ長い文章を作る
(S+V)”He speaks.”(彼は話す)
→ 目的語(O)を追加(S+V+O)”He speaks English.“(彼は英語を話す。)
→時間(M)を追加(S+V+O+M) “He speaks English every day.“(彼は毎日英語を話す。)
→場所(M)を追加(S+V+O+M+M)”He speaks English every day at school.“(彼は毎日学校で英語を話す。)
③日常的に英語の語順で考えるクセをつける
■効果
・英語を英語のまま考えられるようになり、日本語からの翻訳が不要になる
・何度も繰り返し行うことで瞬時に正しい語順で言葉が出てくるようになりスピーキング力が向上
・英語のまま意味を理解できるので、リスニングもスムーズに
チャンク学習
チャンクとは意味のある、語のまとまりのことを言います。
The girl with long hair wearing a blue dress is Nancy.
例えばこの文を、「女の子」「髪の長い」「着ている」「青い服」「ナンシー」
と単語ごとではなく、「青い服を着ている髪の長い女の子はナンシー」という風に意味のまとまりでとらえることです。英語をチャンクで理解できるようになると、英語の語順に自然になれることができ、日本語脳から英語脳へスムーズに切り替えられます。
■トレーニング方法
①頻出チャンクをそのまま覚える
「What do you mean?(どういう意味?)」「Let’s get started.(始めよう」「I’ll think about it.(考えておくよ)」
②スラッシュリーディングを用いてとれるチャンクの幅を広げていく
Do you remember the day when we first met?
単語ごと→「あなた」「覚えている?」「その日」「私たち」「初めて」「会った」
短いチャンク→「あなたはその日を覚えていますか?」「私たちが初めて会った」
長いチャンク→「私たちが初めて会った日のことを覚えていますか?」
③チャンクを意識して話す
型として覚えたチャンクを組み合わせるイメージで
「I’m looking forward to ~(~を楽しみにしている)」
+「spending time with my family(家族と時間を過ごすこと)」
=「I’m looking forward to spending time with my family this weekend.(今週)」
■効果
・チャンクで理解することで、意味理解がスムーズになる
・文法を意識せず、ネイティブが自然に使う表現をそのまま覚えることができる
・型として覚えたチャンクを組み合わせることで、英語での表現がスピーディーに
シャドーイング
シャドーイングとは英語の音声を聞いたあと、少し遅れて音声をマネながら発話するトレーニングです。
英語の音を認識、保持、再生する負荷の高いトレーニングを行うことで英語の音声を無意識レベル、つまり英語脳で理解できるようになります。日本語を介す必要がなくなるので自然と日本語脳から脱却できます!
■トレーニング方法
①まずは発音やイントネーションがわかりやすいスピードがゆっくりの教材を用意
②全体的な意味を大まかに把握
③何度か音源と一緒に音読してみる
④スクリプトを見ずに聞こえてきた音を即座に反復する
⑤何度も繰り返し行うと効果的!
■効果
・英語の音や繋がり、イントネーションを脳にインプットできるのでリスニング力が飛躍的にUp!
・ネイティブの話し方を繰り返しマネすることで発音や英語のリズムが自然に身につく
・英語を英語のまま理解できるようになり、会話もスムーズに!
英語で独り言を言う
普段生活していく中で思ったことを英語で呟いてみましょう!
日本にいると必然的に日本語脳で考えてしまいますが、英語で独り言を言うクセをつけると自然に英語脳へ切り替えることができますよ
■トレーニング方法
①目についたものや、考えたことを英語で言う
「There is a cat!(猫だ!)」「I need to buy milk on my way home.(帰りに牛乳を買わなきゃ)」
②言えなかった単語や表現は調べてメモする
③録音して発音やリズムなどをチェック
■効果
・英語で考えて話すので、英語の語順で話せるようになる
・普段から英語を使う回数が増えることで、英語を話すことに抵抗がなくなる
・自分がよく使う語彙や表現を自然に身につけられる
英語でジャーナリング
ジャーナリングとは思考や感情、出来事等を自由に書き出すことです。
英語で行うことで英語での思考力を鍛え、自然な表現を身につけることができます。
日本語を介さずに直接英語で考えながら書くことで、日本語脳から英語脳への移行がスムーズに!
■トレーニング方法
①最初はシンプルな文章から
②書く内容は自由に!「今日はどんな気分?」「最近気になっていることは?」など質問を用意すると書きやすくなる
③毎日5分~10分継続して行う
■効果
・英語で考える習慣がつく
・文法や語彙が定着しライティング力があがる
・英語での表現力が豊かになり、自分の意見がスムーズに言えるようになる
英語脳に切り替える際の注意点

英語を流暢に話すためには、日本語脳から英語脳に切り替えることが効果的!
しかしその際注意しなければいけないポイントも存在します。
注意点をしっかり抑えて、スムーズに英語脳へ移行しましょう!
日本語脳→英語脳への移行は少しずつ
英語脳を使って英語学習をすることがいくらいいと言っても、すぐに日本語脳から英語脳に完全に切り替えるのは危険。理解が追い付かずにストレスを感じたり、せっかく新しいことを学んでも定着しづらくなってしまいます。
挙句の果てにそのまま挫折ということも。
理解できる部分は英語で、わかりづらいところは日本語も使って覚える。一日の中で30分だけ英語で考えて英語で話す、など日本語と英語を適度に使いわけるブリッジング期間を設けましょう。
徐々に英語の割合を増やすことでスムーズに日本語脳から英語脳へ切り替えることができます。
完璧主義は厳禁!目標を遠ざけます
日本語脳から英語脳への切り替えは英語学習を飛躍的に向上させますが、それでも必ずミスはしてしまうものです。
特に最初のころは使える単語や文法も少ないことでうまく相手に伝わるか不安になったり、ミスを恐れて完璧に話さなきゃと焦ってしまいがち。しかし、完璧になるまで黙っていては、いつまで経っても英語は上達しません。
短いフレーズや単語だけでも恐れずに使っていきましょう!
インプットとアウトプットを繰り返す中でミスと修正を何度も行い、少しずつ英語脳を定着させましょう。
語学は継続が命!英語脳も一日にして成らず
普段日本語脳で生活している私たちにとって、第二の思考回路である英語脳を作り上げることは簡単なことではありません。やはり時間と努力が必要です。特に語学学習において継続は最も大切な要素の一つ。
英語も使わないとすぐに衰えていくものです。逆にいうと、どんな短時間であっても毎日英語に触れ続けていると次第に英語脳が育ってきます。通勤中に英語のポッドキャストを聞く、寝る前には英単語を30個覚えるなど、日常のルーティーンに英語に触れる時間を組み入れましょう。継続できる習慣作りをすることが英語脳をつくるコツです!
英語脳と日本語脳の違いを意識しながらトレーニングを始めよう!

英語を英語のまま理解する英語脳と、日本語に訳して理解する日本語脳。
英語脳をつくることで英語の処理スピードがあがりより自然な英語を話すことができる一方、初期の学習においては日本語脳で英語を理解した方が学習スピードが速くなります。
英語学習を効率的に行っていくために両者の違いを常に意識し、英語脳と日本語脳を適宜使い分けながら学習を進めていきましょう!少しずつ英語脳を使用する比率を高めることで、最終的に日本語と同じように、ストレスなく、英語を英語のまま理解し使っていくことができます。そのためには毎日の継続的なトレーニングが鍵です!
早速明日から始めてみては?

